ライフサイクルアセスメントで考えよう [水・環境問題]
ライフサイクルアセスメント(LCA)という言葉をご存じでしょうか?
最近では燃費の良い車や省電力の家電製品などが「環境に優しい」として注目を浴びていますが、当然の事ながら工業製品は使うときだけでなく、モノを作るとき、運ぶとき、売るとき、そして廃棄するときにもエネルギーを使います。
ライフサイクルアセスメント = モノが一生を終えるまでにどれだけ環境に負荷を与えるのか
ということです。
何故今この話をするかというと、最近は「環境によい」ということが一つの製品としての売りとなっており、そのことを盛んにアピールしている企業も多いのですが、どうも単純にそういいきれないんじゃないかというモノも多いような気がするんです。
もっともわかりやすい例で言えばこれ。
テレビCMでもやっていたとおり、燃費の良い車に買い換えて環境負荷を減らそうというメッセージなんですが・・・。どうもネット上の評判を見てもあまり芳しくないようです。
そりゃ普通に考えて、まだ使える車を手放して新しい車を買うと言うこと自体「もったいない」精神に反すると思いませんか?
車のような鉄と電子機器の固まりを作るのに掛かるエネルギーを考えたら、ちょっと燃費が良いくらいであれば、あるいはせいぜい週末くらいしか車に乗らないような人であれば、逆に環境負荷が増えてしまう例があるのでないでしょうか。
むろんトヨタのHPでもライフサイクルアセスメントについての説明があり、理屈としては一応通っているような気もするのですが、実際にどれだけ燃費が改善された上で、年間どれくらいの距離を乗る人であれば環境に良くなるのか、具体的な説明が見あたりません。
これでは、車を売りたいが為の偽善だと言われても仕方ありませんね。
自分としてはこの「エコ替え」を全否定するつもりはありません。確かにやり方によっては環境への負荷は減らせるでしょう。しかし、一般消費者を、ましてやこの広告に触発されるような環境に関心を持っている善意の消費者をミスリードするようなやり方は、お互いにとって不幸だと思うんです。
別にこういった話はトヨタだけでなく、家電製品などでも見受けられます。
本当に環境に優しいってどういう事なのかということを、一番エネルギーを消費している大企業自身が説明する必要があるのではないでしょうか。
また、消費者自身も「エコ」とか「環境性能」といった売り文句にだまされないで、ライフサイクルアセスメント等についてよく考えてから決断するべきなんだと思います。
このCM見るたびに不快でした。
やっぱりそう思ってる人、多かったんですね。
使えるものを処分するのは胸が痛みます
by けったま (2008-09-01 07:13)
わたしも疑問に思っていました。
色々環境について言われていますが、キチンと自分で判断しないと本末転倒な事になることも多そうですよね。
by 紅天狗茸 (2008-09-01 13:38)
ども。コメントありがとうございます。
>けったま 様
使えるモノは使う、これが基本ですね。
3Rは次善の策であって、モノを大切にする気持ちがないと意味がないと思います。
>紅天狗茸 様
そうです。企業は多分これからもうまいこと言ってくると思うのですが、ちゃんと判断できるようにしなければなりませんね。
by がく (2008-09-02 06:58)