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やっぱり見るのね ~裁判員制度~ [裁判員制度]

 どうも心配していたことが現実となりそうです。

 事件の柱、手厚く立証を=凄惨映像「心理負担に配慮」-裁判員制度で最高検

2月18日5時23分配信 時事通信

 5月の裁判員制度開始を前に、最高検は17日、「検察の基本方針」を公表した。細部にわたる全容解明は目指さないものの、事件の柱となる事実については手厚い立証が必要とする内容。凄惨(せいさん)な映像による立証の際には、遺族や裁判員の心理的負担への配慮を求めた。全国の検察官に配布した。
 基本方針は、裁判員裁判では「分かりやすく、迅速な立証が求められる」と不必要な証拠調べの回避を訴える一方、起訴事実と重要な情状事実については、「手厚く漏れのない立証により、事件の本質を浮き彫りにする必要がある」とした。
 提出する証拠が多過ぎる場合、裁判員が情報過多に陥り、かえって適切な判断が妨げられることを懸念。「必要のないものを削るのではなく、最良のものを厳選しなければならない」と意識転換を要求した。
 一方で、「骨となる事実だけでなく、血の通った裁判の実現も重要」と指摘し、事件の内容に応じて、被告の生い立ちや家庭環境なども立証していくとした。
 遺体の写真など凄惨な映像については、「取り調べなければ残虐性を立証できない場合がある」と必要性を強調。その上で、心理的負担を与えないよう裁判員に事前に告知したり、遺族に配慮して傍聴席からは見えないようにしたりすることを促した。 

 また、実際の裁判でもすでにその準備は始まっているようです。

 

 江東女性殺害事件公判 「分かりやすさ」求める法廷「ワイドショー化」への懸念

2月18日11時29分配信 産経新聞

 東京都江東区のマンションで会社員の東城瑠理香さん=当時(23)=が殺害されバラバラにされた事件で、初公判から結審まで6回開かれた公判はわずか2週間の集中審理で行われた。今回の公判は、5月に始まる裁判員制度を見据えた試みが随所でみられた。

 検察側は、裁判員裁判のため法廷に2台設置された65インチの大型モニターを駆使。被害者の骨片や肉片などを映し出し、犯行の凶悪さを強調した。「裁判員にも法廷で見てもらうというメッセージを込めた」(幹部)という。だが、あまりの残酷さから、第2回公判で、マネキン人形を使った殺害時の再現状況が映し出された際、遺族が号泣して退廷する一幕もあった。

 一方、東城さんが生まれた時の写真をはじめ、生い立ちをスライドショー的に上映。大学を主席で卒業し英語に堪能だった東城さんが、将来に希望を持ち前向きに生きてきた姿を強調することで、犯行の悪質さを際だたせた。

 冒頭陳述や論告などは、“素人”にも分かるよう平易な文章で記述。検察官は、傍聴席内の右前部に設置された遺族席の近くに立ち、時折、涙ながらに論告を読み上げた。遺族が法廷で語った表現を引用して、星島被告を「人間の顔をした悪魔」と断罪。東城さんについては「人生の旅の途中だった」と訴えた。

 「法廷で見て聞いて判断する」という裁判員裁判の原則に基づき、「視覚」や「心」に訴えた立証方法は、「分かりやすさ」を格段に増した。その反面、真実を追求する場の公判が「ワイドショー化」する懸念も感じさせた。

 裁判員制度によって、どうなって欲しいのか?

 いったい誰のための制度なのか?

 裁判員に心の傷を与え、被害者の憎悪をいたずらに増加させ、被告人は印象や感情によって裁かれる、なんて状況にならなければよいのですが・・・。

 もう数ヶ月後から始まってしまいます。多分、いろんな制度(後期高齢者医療制度が良い例)と同じように、始まってからいろんな問題が噴出して大混乱が起きるような気がしています。

 杞憂で終われば良いんですけれどね・・・。


タグ:裁判員制度
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けったま

いろいろ問題になっていますね。
ことばだけでもかなりきつく感じられる人が多いのに
画像はないかも。
今回の判決はプロの判決だと言われてますが、
もし裁判員が判決を出すとしたら死刑になるのかしら。
誘導される可能性は否めないとしても
終身刑より死刑を遺族は望んでいるのだから
遺族よりの判決が出されると思います。
by けったま (2009-02-19 13:51) 

紅天狗茸

被害者の人柄や、遺族の意向がが判決に影響するなら、同じように殺されても、身寄りのない人などへの犯行は軽い罪刑になるのでしょうか?
それを言いたい気持ちも分かりますが、刑事裁判で被害者の人柄を云々するのは間違っているのでは?と疑問に感じました。

>>裁判員に心の傷を与え、被害者の憎悪をいたずらに増加させ、被告人は印象や感情によって裁かれる、なんて状況にならなければよいのですが・・・。

なんて事になりそうで怖いです。

by 紅天狗茸 (2009-02-20 16:58) 

がく

ども。コメントありがとうございます。
> けったま様
 今の司法で批判が多いのは、つまるところ「判例主義」の弊害だと思っています。それを是正する役目を裁判員に期待しているのならば、正直なところ「冗談じゃないよ」と言いたいです。
 だって何のために高い税金を使って今の制度があるのか・・・。一般市民に理解されにくい判決が出ているのならそれを自分自身で是正してゆくのが筋だと思うのです。

> 紅天狗茸様
 純粋に犯した罪の深さにより判決が出されるのならまだ良いのですが、どうもそれ以外の要素が排除されない可能性の方が高いような気がしています。
 単なる思いこみなら良いのですが。
by がく (2009-02-24 22:02) 

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